コンサルティング

社会経済環境の不確実性、不透明性、変化スピードの高まりは、
企業に経営改革を推進する必要性をますます大きなものにしています。
昨今のコンサルティング需要の高まりはその結果と言えるでしょう。

組織・人事、人材育成分野においても、
経営改革の重要なテーマとして取り組みが進んでいる状況が伺えます。

さて、経営改革の中で、組織・人事、人材育成改革に取り組むにあたっては、
何が重要成功要因になるのでしょうか。

この分野は、改革の対象が「ヒト」そのものであるため、
仕組みやシステムの改革のようにはいかない難しさがあります。
大きなリスクを取ることは少ない一方、
改革の結果(良くも悪くも)がすぐには表れないものです。

だからこそ、本気で取り組まないと改革は進みません。
したがって、何が重要成功要因かと言えば、
「全社員が改革目的を共有する」
あるいはもっと進んで
「共有」ではなく「共感」です。

改革は痛みを伴うことが多々あります。
それを乗り越えるには、全社員が改革が進んだ先の明るい未来を見ることです。
どのようなプロセスを踏むにしても、改革に成功した企業は全社員を巻き込んでいるのです。


組織・人事、人材育成改革には、
明示されたルールや仕組みを改革するハード的改革と、
いわゆる組織風土のような暗黙の部分を変えるソフト的改革があるわけですが、
このソフト的改革なくして改革はないと言えるでしょう。

ハード的改革だけでは、見かけの変化を生むことはできたとしても、
組織の本質が変わらず、いずれ後戻りをすることになります。
組織を成す個が変わっていないからです。


弊社で実施させていただいた組織・人事、人材育成改革の実績からも、
このことは明白でした。

トップダウンで始まった改革は、制度変更と人事異動、
そして管理職研修の3本セットで行われました。
かなり大胆なものでした。

しかし、1年が経過しても、社員個々の態度に大きな変化は見られませんでした。
そこで、弊社がさらにご提案させていただいたのが、
全社員への改革目的の周知です。
全社員を対象にしたキックオフ会議と、改革を進めるための行動指針を作成し、
各部署の毎日の朝礼で読み上げることを実施しました。
その結果、部下の態度変容を報告してくる管理職が一気に増えてきたのです。


また、トップダウンで始まった改革が、
部署責任者の改革への後ろ向きの姿勢から進まないケースがありました。
ここは、改革のドライブを現場からかけるボトムアップ戦術に切り替えました。
数名の改革リーダーを選任し、このリーダーと打ち合わせを繰り返し、
下から部署長を動かすと言うものです。
多少時間はかかりましたが、改革は動き始めたのです。


組織・人事、人材育成改革の実施を通じ、改革のトリガーは「危機意識」であっても、
最終的に「ヒト」が動くのは、
「明るい未来を見る」からだと言うことを感じます。

弊社のコンサルティングの原点はそこにあります。