若手人材育成のあり方(論点整理)

若手人材育成の重要性

若手人材の採用が難しくなっている昨今、採用した若手人材の育成は、これまで以上に重要な課題になっています。
若手人材の育成は今に始まったわけではなく、各企業では自社に見合ったやり方で育成をされてきたことと存じます。しかし、これまでのやり方では若手が期待通りに育ってこないと感じている人事の方や管理職の方が増えています。
その背景には、企業を取り巻く経営環境の変化による若手人材に求められる人材像の変化と昨今の若手人材の志向の変化があります。どちらについても、専門家の方々が様々な分析をされていますが、簡単にまとめると以下のようになるのではないかと思います。

若手人材育成の変遷

これはあくまでも一般論ですから、各企業における実態とは必ずしも一致しない部分があると思います。 ですから、これを参考に、自社を取り巻く経営環境と求められる人材像、採用した若手の志向をまとめれば、自社に適した若手人材育成のあり方を検討するための材料にしていただけると思います。

若手人材の成長段階

若手人材がどのように成長していくかの一般論についても以下にまとめておきます。

これも一般論ですが、若手人材がどのように成長していくかについて改めて認識することができます。

やる気を引き出す系統

次に、若手人材のやる気を引き出す一般論を見てみます。

昨今の若手は、弊社が研修を通じて接してきた若手から知り得る限り、入社1年目から3年目くらいまでは「緊張系」と「関係系」にやる気を引き出す源泉があるようです。つまり、将来に向けての明確な「ありたい姿」がある若手は少数であり、日々の業務を「やるべき」で頑張っています。また、職場の人間関係の良し悪しがやる気に大きく影響しています。特に、上司との関係性は重要です。
3年目以降は、「希望系」が出てきて「ありたい姿」を考え始めます。それによって「持論系」が出てきますから、この時期に適切な教育ができないと、中には離職(転職)を考える人材が出てくる心配があります。
もし、入社1年目での離職者が少なくない場合は、採用方法と職場環境(労働環境と人間関係)に問題があると考えることができます。

論点整理

さて、ここまで若手人材育成に関わる基本的なことをご説明してきましたので、 論点を整理したいと思います。

論点① 自社を取り巻く経営環境から、求められる人材像は明確になっているか?
論点② 採用した若手人材の志向の傾向は把握できているか?
論点③ 若手人材の成長のステップと期間をどのように見込んでいるか?
論点④ 若手人材のやる気を引き出すための職場環境をどのようにつくっているか?
    特に、上司の部下指導育成力は十分か?
論点⑤ 若手人材育成のためにどんな教育をおこなっているか?