若手人材育成のあり方(対策立案)

若手人材育成のための対策の必要性

若手人材育成に関する以下の現状分析の結果、問題点があればその解決に向けた対策を実施しなければなりません。
 ・若手人材のやる気度
 ・若手人材の仕事の基礎力
 ・上司の部下指導育成状況
何も対策を実施しないままに翌年度の新入社員を受け入れることは避けなければなりません。 対策の範囲は以下のようになります。

若手人材育成の対策の範囲

それぞれの分野ごとに点検をして問題となっている点を洗い出し、優先順位をつけて具体的な対策方法を検討していかなければなりません。
人事部門が中心になって進めることができる分野とそれが難しい分野があると思います。できることから取り組んでいくしかないわけですが、それぞれの検討のポイントを以下にまとめました。

対策検討のポイント

◆上司の育成力
育成力の弱い上司はおそらくある程度特定できているのではないでしょうか。だからと言って、人事部門が直接指導するのは難しいと思います。
「今どきの若手人材育成のポイント」などのような社内セミナーの開催ができるのであればいいのですが、外部の専門講師による研修の実施を検討するのも一つです。

ただし、どちらにしても、問題のある上司が参加しないという困ったケースが、いくつかの企業で少なからずあるようです。得策はないのですが、上司評価に部下指導育成の項目を設けるなど、制度上の改善が必要かと思います。

◆OJT
人事部門が関わるのが難しい分野ですが、OJTリーダー研修を実施している企業は少なくありません。OJTに問題があると考えられる場合、社内で難しければ、やはり外部の専門講師に研修を依頼するのも一つです。

◆職場環境
労働環境と人間関係に分けられます。労働環境については、安全衛生や働き方改革の一環として実施ができます。

人間関係については、人事部門が関わるのが難しい分野ですが、特に入社1、2年生には、困ったときには人事部門に相談に来るように積極的に案内している企業もあります。

◆OFF-JT
ここは人事部門が若手人材に対して実施している現状の取り組みを、効果の面から見直すことから始められるのがいいと思います。ただし、多くの企業で取り組みに対する十分な効果測定ができていないのが現状です。したがって、「現状分析」のページにも掲載したように、簡易診断を行って、診断結果から改めて取り組み方法を見直すことが必要です。

◆メンター制度
昨今導入企業がかなり増えています。実際の運用では予期しない問題が出てくる場合がありますので、導入にあたっては一度専門家に相談されることをお勧めします。

◆評価方法
人事部門の守備範囲ですが、見直しには社内調整が不可欠で、簡単にはいかないと思います。弊社が研修を通じて接してきた若手から知り得る限り、若手のやる気への影響については、限定的であると認識しています。
 

◆配置
弊社が研修を通じて接してきた若手の中に、配属先に不満があって早期退職した者が数名いますが、やはりやる気への影響は限定的かと思います。

◆採用方法
若手人材育成上(早期離職防止上)、とても大きな影響を持っています。いわゆるミスマッチ採用につながる要因がある場合です。一つには、採用時に自社を過大によく見せようとすること。二つ目には、自社が求めている人材像が不明確な場合。三つ目が、どうしても数合わせをしなければならず、始めに内定を出した者と、後で内定を出した者とのレベル差がある場合です。この場合はどちらにも悪影響が出ます。
弊社は採用支援は行っていませんが、弊社が研修を通じて接してきた若手や採用担当者からの話です。
いずれにしても、ミスマッチ入社は企業と若手の双方にとって好ましくないものですので、もし前述のような問題点があれば、見直しをされることをお勧めします。